今回はSn & E reaction において重要となってくるhalide のnucleophilicity にsolvent がどのような影響を与えるのか見てみましょう。
Solvent について
Solvent はpolar かnonploar、protic かaprotic なのかでおおきく4つにわけることができます。そしてSn & E reaction では反応速度がある程度ないと問題なのでpolar protic solvent またはpolar aprotic solvent が用いられます。なのでここではこの2つに着目して考察したいと思います(よってprotic なのかaprotic なのかに注目します)。
Halide のなかでのNucleophilicity
Nucleophile が炭素に攻撃することでSn & E reaction が進行し始めます。よってgood nucleophile とは炭素に攻撃しやすいものであるはずです。今回はhalide について考えるのでその反応性に着目すればF- > Cl- > Br- > I- (極性の大小もこの順)であるのでF- が一番よいnucleophile と言えそうです。しかしこれはpolar aprotic solvent のとき成り立つもので、polar protic solvent の場合は順番が逆になります(F- < Cl- < Br- < I-)。この理由を以下で見ていきましょう。
Nucleophilicity の大小を考えるうえで重要な考え方
先述した通り、good nuclephile とは炭素へ攻撃のしやすい、すなわち炭素と反応しやすいといえます。よってsolvent とより強く相互作用してしまうnucleophile はgood nucleophile ではないといえます。なぜならsolvent と反応してしまって炭素と反応しづらくなっているからです。この考え方をしっかりおさえましょう。
protic, aprotic それぞれの特徴
protic solvent は正電荷とも負電荷とも強く相互作用できます。一方aprotic solvent は正電荷とは相互作用できますが負電荷とはあまり相互作用できません。下のイラストを見てみてください。
polar protic solvent ではナトリウムイオンもヨウ素イオンも水と相互作用しています。一方polar aprotic solvent ではナトリウムイオンはアセトンと相互作用できていますがヨウ素イオンは立体障害により相互作用できていません。
全て考慮すると
polar aprotic solvent 下では負に帯びたhalide はsolvent とはそれほど強く相互作用しません。よってhalide の反応性の大小とnucleophilicity の大小が一致します。しかしpolar protic solvent ではhalide がsolvent と相互作用してしまいます。極性の強いhalide ほど強くsolvent と相互作用してしまい、よってbad nucleophile になってしまいます。ゆえにhalide のnucleophilicity の大小関係はhalide の極性の大小関係を逆転したものになるのです。
さいごに
この大小関係の話はわからなくなりやすいのでしっかり復習しておきましょう。
質問・意見がありましたらぜひコメントしてください。
では^^